文字の方が恐ろしい
こんにちは。
さっそくですが、あなたはホラー映画とホラー小説どっちが怖いと思いますか?
映画は恐怖を煽るビックリシーンや恐ろしいSEやBGM、最近では映画館限定ですがシートが揺れるなど視覚聴覚触覚をフル活用してぶん殴ってきます。
一方で小説は文字が淡々と書き連ねられているだけです。文字がいきなり動いたり、本から音がしてビビらせてくることもありません。
夜な夜なスプラトゥーンをやっている友達と小説の話になり友達が
「この物語読んだけどめっちゃ怖かった!」
「あの本の悪夢のシーンが嫌にリアルで最悪だった」と言っていました。私自身ホラーゲームやお化け屋敷は好きでよくやったり入ったりするものの、本を読む習慣は全くないため、
(文字だけが怖いわけないだろガハハ)
と思っていました。
そして最近、ネットで話題のホラー小説などをよく読むようになりましたが、
文字の方が何倍も怖いです
音も動きもない、どこにでもある文字が何よりも恐ろしいのです。
文字だけというヤバさ
映画、ゲーム、お化け屋敷などの場合は自分が体験することで外から動きや音などなんらかのアクションを起こされ直に恐怖させられます。何も考えずにボケーっと見たり歩き進めることもできます。
一方小説の場合、文字を読み、"1度頭の中で情景を想像"してからその想像したものが怖がらせてきます。こっちはボケーっと読む訳にはいかず、内容を理解するには頭で考えなければなりません。
この、"1度頭の中で情景を想像"がマジでヤバい。
映画とかは外から音や映像で干渉して来ますから、余程のトラウマシーンなどを除くと、最悪目を閉じたり耳を塞げば怖いシーンも耐えられます。
しかし、小説だと恐怖の対象が自分の頭の中にいる為、一度頭で想像し、生み出してしまったらもうどうすることも出来ません。
外から干渉してくる映画とは反対にこっちは目を閉じたり耳を塞ぐと周りの音や景色が遮断され、より鮮明に恐ろしい情景が頭に浮かんでしまいます。回避する方法といえばせいぜい友達とおしゃべりしたりゲームをやったり楽しいことをして忘れるくらいです。
しかし、それも一時的なもの。
人間には一日の疲れを癒すため長い時間目を閉じる睡眠という行為が必要不可欠です。
考えないようにすればするほど恐怖シーンはより鮮明に浮かび上がり、「夢に出てくるんじゃないか」という不安にも煽られ寝る所では無くなります。
もちろん映像でも眠れなくなるほど怖いものあると思いますが、個人的に「メイドイン他人の恐怖映像in映画館」と、「メイドイン俺の恐怖描写in俺の頭の中」を較べてみるとメイドイン俺の頭の中がより身近で怖いと感じます。
文字でしか出来ない怖がらせ方
映像では登場人物となる演者が実際におっかない目に遭うものが多く、こちらとしては第三者視点から見るものが多いです。一方小説では「ゆっくりと扉が開き」「女がこちらを見ている」など"お前が体験しているんだぞ🫵🫵🫵"と言わんばかりの丁寧丁寧丁寧な描写説明があります。そのため映画と比べるとその物語の登場人物への感情移入が圧倒的にしやすいと感じます。
また、手法にもよりますが、小説の場合登場人物の素性など、何らかの情報を隠して描写を進め、読み手に想像させることが可能です。
例えば
「彼氏と心霊スポットに行った時に奇妙な男がこちらを見ていた」
「数日後、大学のトイレの個室に入るとその時の男が隣の個室から出てきてニヤリとしながら声をかけてきた」
これは実際にあるホラー小説の要約ですが、「彼氏と」という点から登場人物が女性である可能性が高いと考えられ、仮にそうだったとすると奇妙な男は女子トイレ内に出現したと推測でき、その男の異常性について気付くことができます。
さらに、
「自分の家のベランダに赤い服の髪の長い女がいると警察から電話が来る」という描写、映像では、登場人物がその電話に対して怯えたり、実際に登場人物の家のベランダに女がいるシーンが映し出されると思います。
しかし、小説の場合その文章を読んで頭の中で想像できるのはまさにこの小説を読んでいる読者自身の家のベランダに女がいる情景では無いでしょうか。
映像があると頭の中で思い描くのはその映像内で出てきたシーンになりますが、文字だけとなると自分の想像力次第ではさらに怖い描写に変換することも出来ます。
このように小説では映画やゲームなどには無い、"1度頭の中で情景を想像"という工程を踏ませることで、読み手に自分から怖さに気付かせる事や映像よりも深く感情移入させることが出来るから想像力次第では文字のホラー作品の方が恐ろしいなと思いました。
という事で中野は怖いことを考えて夜眠れなくなるのが好きなドMなのでネット文庫本関わらず怖いホラー作品あったら今度教えてね😘💕